13話 もう心配かけたくないのに…のネタバレ

ネタバレ


隆秀はお経をあげていても、心がささくれだっているのを、自覚していた。

どうにもテンションがおちてしまう。

見かねた父親に言われた。

「顔暗いぞ。疲れたか?」

「いや、そんなことは・・・」

隆秀は平静を装ったが、父親は心配そうにしている。

「次は11時だから、それまで休んでいなさい。でも正直なところ、教修をやりとげてくれてよかった。
今後お前に住職として、寺を預けていけるから、わたしも安心して、教職に専念できる。
母さんも心強いだろう。本当は雪隆と力をあわせて、継いでもらえたらよかったんだけどな」

少し寂しそうに語る父親。

思わず隆秀も、心がゆるんだ。

「この間あいつに会った。雪隆は雪隆で、自分で生きる道を見つけて、努力している。うらやましいと・・・少し思う。
俺はいつもその時の状況に流されて、いいわけばかりしてて。教修をうけたら、何か変わるかと思ったけど、よくわからない。
そんな人間が、他人の心に届く何かができるんだろうか・・・」

ずっと悩んでいたことを、打ち明けた。

「そういう人間だからこそいいんだ。寺っていうのは。うちを、頼むよ」

父親は真剣に息子に頭をさげた。

美桜は、隆秀のことを、心から心配していた。

どうも様子がおかしいが、きっとそれはわたしが悪いからなんだろう、と思う。

雪隆とのすべてを、隆秀に話すべきなのか。

では、キッチンでさわられたことも話すべきなのか・・・

悩むあまり、図書室で本を借りるついでに、雪隆に相談をした。

全部話す必要はないと思う、と雪隆は言った。

でも美桜は、隆秀に隠し事をするのも、いやなのだ・・・

ぼーっと考えていたら、また図書カードを忘れてしまっていた。

それを、雪隆が届けてくれた。

「送っていこうか?」

とも言われたが、隆秀を心配させたくないから、美桜はきっぱり断った。

ところが。

その会話をしているちょうどその瞬間を、隆秀は偶然、見てしまっていた・・・!!!!!
 

僧侶と交わる色欲の夜に
【コミなび純稿】 僧侶と交わる色欲の夜に