17話 息子さんを、私にくださいのネタバレ

ネタバレ

婚約取り消しを知り、義母が泣きながら、美桜のところに駆け寄ってきた。

「隆秀は自分が怒らせたと言って・・・。何かうちでイヤなことがあって、それで喧嘩になっちゃったのかなって・・・」

義母は心から美桜のことを心配している。

美桜はあわてて首を横にふった。

「いえいえ、違いますよ。私が、彼の思ってることを上手にくみ取れなかっただけなんです。あと! 学生のうちはちゃんと勉強も励みたいし」

少しでも義母の心配を軽くしたい美桜。

一生懸命に笑顔を浮かべた。

「うん、そっか。まだ二人とも若いし、そうよね」

なんとか義母も落ち着いてきた。

「はい、お世話になりました」

「また遊びにきてね」

後ろ髪引かれる思いではあったが、美桜は寺を出た。

そして一週間が経過した。

隆秀はずっと落ち込んでいる。

「おかえり。どうだった?」

仕事のことにも、半ば上の空の状態で答える。

「うん、特に、問題なくまた来月相談にきたいって」

母親は何とか雰囲気を明るくしようと、しゃべり続ける。

「秋用の袈裟を出さなきゃね。これからの時期には鮮やかすぎるから。お気に入りの薄紅のは・・・」

「着替えてくる」

母親とこんな会話だけを、毎日繰り返している。

隆秀は美桜のぬくもりをもとめるために、二人の部屋に入ってみる。

すると、美桜の借りた仏教の本を見つけた。

美桜の忘れものだ。

雪隆に電話をしてみる。

「言っとくけど、兄貴が返しにきてもだめだからね。

貸し出しカードないと返却できないし、先輩の借りた本を兄貴が俺経由で持ってくるとか、確実に喧嘩してるでしょ。

あんたたち。じゃなきゃ、兄貴が先輩に渡せばすむ話じゃん。先輩ふつうに学校きてるし。

ていうか、ちょっと前に先輩が大学の蔵書なくしたらどうなるのかきいてきたのって、それのことかー。

レポート用紙10枚の反省文と、本の弁償、加えて向こう1年間の本の貸し出し禁止を伝えたら、青い顔してふらふら帰っていったんだけどさ」

しかたがないから、隆秀は夜にでも美桜のアパートにいこうと思った。

こんな分厚い本を、美桜はがんばって読んでいたんだなぁと感心する。

そこに、突然あおいがやってきた。

あおい・・・。

いきなり隆秀にだきつく。

そして隆秀の母親に、言った。

「息子さんを私にください」
 

僧侶と交わる色欲の夜に
【コミなび純稿】 僧侶と交わる色欲の夜に