23話 好き…あなたと離れていたくないのネタバレ

ネタバレ

隆秀は、あおいを振り返って、しっかりと答えた。

「・・・好きです。めちゃくちゃ好きです。どうしていいかわからないくらいに・・・」

2人の間の空気が、微妙に変化した。

やわらかく、あったかいものになった。

そしてあおいは、何かがふっきれたように、諭した。

「甘えていてはだめよ。自己犠牲は美しいかもしれない。
でも誰かの気持ちを踏みにじってまで、遂行されるべきものではないと思ってるわ。
決めるのはあなたですけど。はっきり言ってくださってありがとう」

最後は、笑顔になった。

そしてさっぱりとした顔で、あおいは去っていった。

一方。

「落ち着いた?」

部屋では美桜が小さくなって、母親と会話している。

「ハイ」

「来てるなら声かけてくれたらよかったのに」

「ご挨拶もせずにすみません。でも今日の目的は達成できたので、遅くならないうちに帰ります。お邪魔しました」

美桜は、少し名残惜しさを感じながら、立ち上がった。

お義母さんと話すのも、これが最後なのかな。

そう思うと、寂しさが強まる。

でも、と心を決めて、扉を開けた。

そのとき、母親は美桜の手をつかんだ。

「美桜ちゃん!隆秀ね、本当はね・・・・!!!」

美桜は、寺に戻った。

隆秀が一人、座っている。

美桜は、隆秀の正面に座る。

「私・・・九条君のことばっかり考えてた。何をしてても、全部あなたに行き着いた。
でもそのせいで自分のことに必死で、君がどう思って何をしようとしてるのか、考えられていなかった」

美桜は、落ち着いた調子で、話し続けた。

「・・・九条くん、今度はわたしが言うよ。好き。あなたが好き。助けになりたい。役に立ちたい。
離れていたくない。あなたを好きだって気持ちで、生きていきたい。
そのためだったら、どんなことでもがんばれる。だから・・・あなたの本当の気もちを・・・」

美桜は、隆秀の言葉を聞きたかった。

でも隆秀は、言葉ではなく態度で、愛情を表現した。

隆秀はそっと、美桜を抱き寄せた。

そしてしっかりとぎゅっと、抱きしめた。

2人は今度こそしっかりと、一つになった。

 

僧侶と交わる色欲の夜に
【コミなび純稿】 僧侶と交わる色欲の夜に