33話 私を欲してくれるのなら、どれだけでもあげたい…のネタバレ

ネタバレ


「さあ! やってきました!!!本日のメインイベント!!袈裟ファッションショー!!!」

やたらとはりきった母親のナレーションに、美桜はびっくりした。

「まずはエントリーナンバー一番!!!真昌寺、隆秀ーーーー!!!!!」

隆秀がすました顔ででてきた。

美桜はもう、開いた口がふさがらない。

「イケてる袈裟ですねー!!!

長身とクールフェイスで、女性のハートを鷲掴み!

私の息子です。私の息子です」

あおいが横から説明してくれた。

「お寺でもクリスマスは浮かれちゃいけないって決まりはないのよ。

まあ節度はあるけど。

年末年始はどこも忙しいし、一月はお寺にとって大事な行事もあるから、

年に一度の親睦会としてつき合いのある人たちでこうして集まるの」

「な、なるほど。それにしても驚き・・・チキンとかあるし・・・」

「うふふ、ふつうでしょ。日々の暮らしから学ぶの。ふつうの人たちなのよ、みんな」

そのときまた、母親の声が響いた。

「続きましてエントリーナンバー3番、雪隆ーーーー!!!」

むすっとしたまま雪隆が登場する。

「さわかやな色合いが私もお気に入り。ちなみにこの子も私の息子です!

よろしくお願いいたします!!!」

美桜は漠然と雪隆と隆秀を見ていた。

隆秀には視線をそらされた。

それが、さびしい。

「ね、美桜さん」

あおいが呼んだ。

「私に気をつかっているのなら、それこそ失礼よ?」

「つ・・・」

「私の代わりに彼を幸せにする!っていうくらいの意気込みでいてね。

隆秀さんよりいい男見つけて自慢しにくるから。

そのときは4人で遊びに行きましょう」

「・・・あおいさん」

「さ!! そうと決まれば行って行って!!!」

あおいは美桜を隆秀のもとに送り出した。

「探してると思うわよ、あなたのこと」

「あはい。いってきます」

物陰に、隆秀はいた。

「深谷、深谷・・・・・・・・」

一気に求められた。

名前を呼んでばかりのときは、たいていとても余裕がないときだ。

求めてくれるのなら、いくらでもあげたい、と思う。

なにか自分にできることがほしい。

美桜は、隆秀にもっともっと優しくしたい、という気持ちでいっぱいだった。
 

僧侶と交わる色欲の夜に
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【コミなび純稿】 僧侶と交わる色欲の夜に